第11回 のりだあ様

 私が重篤な着物病に感染してしまってから、かれこれ6、7年になりますでしょうか?

 その日、高校生くらいから親につれられて歌舞伎は時々観賞し着物姿も特に気にとめていなかった私ですが、ある秋の歌舞伎座で、とても素敵な着物姿の同世代の女性を拝見して「アッ私もこんなふうに着物をきてみたいな。」と思ってしまった(笑)のがこのおそろしい病気のはじまりでした。なにしろ、その日その時まで、着物にはまったく興味がなく、成人式の振袖のために親が用意していてくれたお金は、そっくりその時夢中だった車(新車購入費)に消えてしまいましたし、七五三にしろ、卒業式の袴にしろ、窮屈で苦しかった思い出しかない私でしたので、まったく1からのスタートでした。今から思うと、非常にもったいなかった某デパートのイベントで大したことのない訪問着をボーナスをはたいて購入したのがはじまりで、数件の呉服屋さんとも顔なじみとなり、着付教室にも通い高い看板もとりました!でも、ちょうど私がこの病気に感染したころから、リサイクル着物やインターネットの着物関係のサイトもふえ始め『おたすけくらぶ』 にも巡り会う事ができました。

 この「着物病」がやっかいなのは、どんどん深みにはまっていくところで、最初の頃は、まあ無難に着られるものがあればよかったのが、だんだんこだわりがでてきて、今日は何をテーマにするか、だのどんな物語性をもたせるかだの、歌舞伎観賞なら演目にあわせてこれにしようだの、もうきりがありません。着物の仕立ても、ただ普通に仕立てるのではあきたらず、八掛けを長襦袢を使ってみようだの、かわった紋を刺繍して貰おうだの、インターネットで色やけ難などで御安くゲットした訪問着を素敵に蘇らせて八掛けに刺繍をいれてもらおうだの。。。そうです、すみません。着物病が重症化してしまった私めのような患者には『きものおたすけくらぶ』はなくてはならない存在なのです。また肩ひじを張らずに普通に御気楽に着物を着ていきたいと思っている者にとっては着物のお手入れに関しても安心できる『おたすけくらぶ』は心強い存在です。

 これからも仕立てにしろお手入れにしろ、いろいろと無理難題をお願いすることと思いますが、こんなひどい着物病におかされた私のような患者をどうか見捨てずによろしくお願いいたします。

前の記事:第10回 椿様

次の記事:第12回 ぼー様