第33回 早苗様

 明治生まれで着物で通した祖母と、お稽古事で着る事が多かった母を見て育ったせいか、小さな頃から着物が好きでした。母が着物を着る時は、まとわり付いて紐を渡したり、背中の皺をとったりとお手伝い、母が綺麗に装うのは子供心に嬉しかったものです。

 私が着る機会といえば、お正月のウールのアンサンブル、花火大会や夏祭りの浴衣とその位でしたが、呉服屋さんが畳みの上に広げた反物の中から、悩みに悩んで決めた1枚の出来上がりをとても楽しみにしていた事を思い出します。思い出す事がもう1つ、妹が7歳のお祝いの着物を作った時、羨ましくて、羨ましくて呉服屋でぐずぐず駄々をこね、自分で選んだ綸子の可愛い小紋で袖の長い着物を作って貰い、七五三のお相伴をした事です。我が儘を通して作って貰った着物には、幼いながらも感じた気まずさか、良い思い出はなく1度着たきり、仕立て直す事もなく箪笥の底におります。その経験からか着物を買う時は素直な良い気持の時に、すばっと買う様にしてます。

 そして私が18歳になった秋、母方の祖父から縮緬の白地に菊柄の小紋の反物が届きました。そろそろお嫁入り仕度をしてあげなさいよという、母の里の習慣と聞きました。お煎茶のお稽古をしていて、新しい着物がほしいと思っていた私にはグットタイミングであり、母もこれをきっかけに心掛けてくれるようになりました。私の手持ちの着物はこの頃、母が揃えてくれたものが殆どです。そして、祖父の贈ってくれた着物は、色はかけましたが、今でも私が一番好きな着物となっています。

 着始めると見るもの見るものほしくなり、どんどん増えてしまいますが、一旦、着なくなると箪笥の肥やしになってしまう着物。私も実家を離れ10年以上も肥やし状態にさせましたがある時、無性に着たくなり、着付を習い自分で着るようになりました。実家からお気に入りを何枚か持ってきたのですが、たとう紙を開けて愕然!当然そのまま着れると思っていたら、これが大間違い。何度か着て、そのまましまわれた着物は、染みが出て、とてもとても着る事の出来る状態ではありませんでした。そして殆どの着物が色柄、八掛が派手すぎて年齢的に無理となっていたのです。着物は何歳になってもそのまま着れるものだと、思い込んでいた私には衝撃的な事でした。

 大切な着物です、どうにかする方法がないかしらと思っていたところ着付教室の先生から、派手になった着物は染みを抜いても着る事は出来ないから、思い切って色かけをしたらと教わり、呉服屋も紹介して貰えました。未熟な私は着物をどぼーーんと染料に浸けて、乾かして終わりだと簡単に考えていたのですが、何と! 解いて染めて、又仕立てると言うではありませんか。見積もりの金額を見て吃驚しましたが、反物から買うことを思えば安上がりです。八掛も元の生地を使い、色を抜き、染め直しをして貰いました。しかし、呉服屋さんとのお付き合いは、なかなか高く付きました。お直しをお願いに行く。行けば反物や帯を見せられ勧められる。出来上がりを取りに行けば、その着物にはこの帯がお似合いですよとくる。相手もこちらの好みを心得て、勧めて来るから手強いです。良い出会いもありましたが、行く度買っていたら大変ですし、気も重い。そんな時、おたすけさんを教えていただきました。

 まずはお試しの洗いからはじまり、染み抜き、そして仕立てにガード加工、加賀紋と私が今までお願いした事はいたってノーマルですが、このコラムで皆さんの想い出の着物、大切な着物を工夫に工夫を重ね、見事に変身させる様を拝見し、こんな事が出来るの?と目から鱗でした。

 そんな会員さんの無理?な要望に、みごとに答えてくれるスタッフさんが揃った、おたすけさんを知った事は心強い事です。20代の頃に作って貰った着物は、そろそろお手入れやお直しが必要になって来ました。羽織を道行に直したい物もあります。道行の丈も今の流行に合わせて長く直したい!派手になった着物も羽織ならOKかな?と仕立て直しも考えてます。あるものをなるべく生かしてあげたい、着物から羽織、帯と形を変え最後にバックや草履の鼻緒になっても、最後の最後まで、着物としての命をまっとうしてほしい。そんな着物に対する強い思い入れがあります。

 新しい物を買わず、染め替えやお直しばかりでは、呉服屋さんの敷居が高いけど、おたすけさんには気軽に相談、お願い、そして無理も言えそうと思っています。私はそんなに困らせませんから、知恵を振り絞って下さいね。

 これからも末永いお付き合いを宜しくお願い致します。

※白生地から染め、仕立て、ガード加工に加賀紋と、全て、きものおたすけくらぶさんにお願いしました。お気に入りです。


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