第28回 ひろよ様

 小さい頃、実家に来ていた母のお弟子さん達のきれいな着物姿を見て育ち、私も小さい頃から「装う」ことが大好きでした。今でも覚えているのは、母が作ってくれた、白地に小花のチューリップ袖のワンピース (くるくる回るとスカートがふわーと広がるのがうれしくて、ずっと回っていたと…)やっぱり母が作ってくれた古典柄の着物と羽織。着ていない時でもずっと眺めていたものです。そして小学校に入ってからは毎年のように浴衣を作ってくれて、その楽しみは高校生まで続きました。大学からしばらくは洋服に傾倒し、着物はお茶会の時だけ、母が揃えてくれた着物を着るだけ。ずっと着物は「特別な時だけ」のものでした。毎年少しづつ母が増やしてくれている着物を、時々眺めて楽しんでいるだけでしたが、歌舞伎やクラッシックコンサート・オペラに行くようになり、同時に急激に着物の「装い」に傾倒しはじめ、母の好みではなく自分の着物ワールドが広がり、着物の奥深さを始めて知ることとなったのです。

 私の着物好きを知り、友人のお母様が昔着ていた着物を下さりました。友人も女性だし、妹さんもいるのに・・・とお断りしたのですがが、お母様も友人も妹さんも「あっても捨てるだけだから」と一言。それなら遠慮なく・・・と頂きましたが、お母様の娘時代の着物ということもあり、黄染みが多かったり、反物の幅が狭いため、裄がとてつもなく長い(私は1尺8寸5分という手長)私には裄を出しても足らないものばかり。。でも、素材も柄も私好み!!どうにかして着たい!!黄染みだらけの縮緬の訪問着を新潟十日町に本店を持つという、日本橋Tの悉皆屋さんに頼んでみたら、なんと「見積もり結果、9万円以上かかるし、生地も薄くなるからやめた方がいいですよ」とのこと。名古屋帯にもできませんか?と聞いたら「帯地にする部分だけの染みとりしても、5万円はかかります。」と・・・その後、おたすけさんをある方のサイトで知り、何度か仕立てをお願いするようになり、その延長で、ダメもとで、先の訪問着の相談をしてみたのです。「着物としては諦めているから、帯にしたいのです。染み抜きにどのくらいかかりますか?」おたすけさんの会社に直接伺い、ご一緒して下さったNさんの助言も頂きながら相談したら、おたすけさんの仕立てのプロの方から「染み抜きせずにこのままで、染みがあるところをなるべくさけて、お太鼓の柄を出して仕立ててみましょうか。」と。。

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/ ヤッターーーーー!嬉しいぃぃ!

 そして、この出来上がり!見事に染みを隠して作って下さいました。本当に本当に染みだらけの訪問着だったのです。この帯も、見えない部分まで、染みだらけです。(つまり、画像で見えている部分しか出せないのです) でも、一番素敵な柄をもってきてくれて、染みのある部分をうまく隠して仕立てくれました。一度は諦めた着物です。でも、どうしても、どうにか復活させて使いたいほど気に入っていた柄なのです。それが形変わって、私の手元にやってきました♪この感動・・・・・(>_<) 着物好きの方ならきっとわかって頂けるのではないでしょうか・・・・!

 この時一緒にお願いをしたのが、やはり前記のお母様から頂いた黒羽織を名古屋帯に仕立て直して頂きました。これまた見事、最初からまるで名古屋帯で売っていたかのような綺麗な柄の出し方!残り布で、おそろいの柄で利休バッグを作ろうと思っています。

 その後、今はまっている、蝶柄を、自分の好みのデザイン・色で、何度も何度も何度もやりとりして頂き、見事に美しい加賀紋を作ってくださいました。世界でたった一つの私だけの帯・加賀紋です♪もうひとつ。常識は不可能といわれる「羽尺」の反物で、長羽織を作ってくれました\(^o^)/

 ダメだろうなぁ?と思ったことを、いつも工夫してくれて実現して下さるのです。「装う」ことが大好きで、組み合わせとかあれこれ考えることが大好きで、美しいものを見、それをまとえることが大好きで、そんなミーハーな気持ちから着物と接するようになりました。でも、今、あらためて「着物の凄さ」「日本文化の凄さ」を実感しています。結城紬などは使えば使うほど味がでて、子供へ孫へと継承できる・・それだけでも凄いと今まで思っていました。

デモ、ソレダケデハ終ワラナイ。。。

 着物で諦めても、帯にできる。帯で諦めても、小物にできる。着物は形かえて、新しいものにまた生まれ変われるのですね。「モッタイナイ」が世界言葉になるといいますが、まさに着物はその言葉の意味を『美しく』証明しているものではないでしょうか。Aさんに「正絹は米つぶ3つ包める大きさがあれば捨ててはダメ。」と教えていただきました。物を大事にする、美しく復元させることが出来る・・・そんな忘れてはいけない気持ちを、おたすけさんは、まさに「助けて」くれる悉皆屋さんだと思います。インターネットのお店でありながら、店主さんの人柄が伝わるような商売の仕方だからこそ、こんなに多くの方から支持されているのだと思います。どうぞ、いつまでも、そのお人柄が隠れてしまいませんように・・・・・

ねっ。富さん☆ 

前の記事:第27回 ちえ様

次の記事:第29回 冬太郎様