お手入れのいろは
第3回 私モテキなの
「女もねぇ、40をすぎるころから、男性にも旦那にもチヤホヤされるなんてことなくなってくるでしょ?でもね、私、最近第二のモテキに入ったようなのよ。きものを着ていると、素敵とか、可愛いとか、一緒にご飯食べよう!って。なんで、50代の人は、きものを着ないのか不思議でならないわ。こんなにチヤホヤされるなんて夢のよう」と知人の女性が、驚きの発言をしました。
彼女は、何しろ手先が器用で、手芸や絵画や工作と、とにかくものを作るのが大好きときている。しかも何をやってもプロ並みの腕前。その彼女が、3分で着られるきものと帯というものを考案し、洋服を着る感覚で、きものを存分に楽しんでいるのです。
以前、ベトナムとカンボジアの世界遺産、アンコールワットにグループを作って旅行した時のこと。成田空港に現れた彼女は、もちろん美しいきもの姿でした。現地に到着して、気温35度以上になってもきもの姿で、アンコールワットでは、遺跡の急な階段をきもので登りきり、ついには、ゾウの背中にきもの姿で乗ってしまったのです。 世界中から集まっている観光客に、まるでトップモデルかのように、写真撮影をせがまれていたのが印象的です。
彼女は「洗えるきもの」を3分で着られるように改造して、愛用しているそうです。外国人から見れば、「わんだふる」「じゃぱにーず きもの」とチヤホヤ!海外でもきものをきると良いことがたくさんあると分かっていましたが、目の当たりにすると、やっぱりきものはすごい!と実感してしまいます。
彼女に限らず、海外できものを着た経験を持つ方の感想は、たいてい「ものすごく写真を撮られた。」「レストランで良い席に案内された。」「ホテルで、最上のサービスを受けた。」と、悪い話を聞いたことがありません。
海外でチヤホヤされるのだから、日本でチヤホヤされないわけがないのです。
着付けの先生によっては、「3分で着られるきもの?」と眉間にシワを寄せてしまうものなのかもしれませんが、こうしたアイデアを否定することは大間違いで、重要なのは、例えば、「合コンに、きものを着て行った場面で、洋服では、埋もれてしまい目立たないのに、きもの姿が話題の中心になっていて、きものを着れば、自分はモッテモテ。楽しくって、ウッキウキ。きものを着てチヤホヤされたい。もっと楽しい経験がしたい。そのために、色々なきものをどんな時でも安心して自分で着られるようになりたい。」というように、手軽で簡単にきもの着て、経験を重ねて行くことで「ちゃんとした、着付けも習おう」と感じていただくことだからです。
きもので、モテキを引き寄せませんか?
前の記事:第2回 本格的なお手入れについて次の記事:第4回 雪も泥はねも、かかってらっしゃい!